初級資格:専門的な経験を問わないエントリー資格
初級資格は実務的な能力として「与えられた機器分析の課題について、機器分析の定められたプロセス(SOP)に沿って分析の操作が一通り出来る」ことが基準です。
試験の出題範囲は受験希望者に配布する「資格試験テキスト」の範囲で、90分の試験時間で4択選択問題50問を回答します。初級資格試験は年一回の全国6都市(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡)開催する一斉試験の他に試験管を派遣して行う団体試験があります。
初級資格の位置づけ
初級資格はエントリー資格です。専門的な経験は問いません。
例えば、機器分析の分野に入ってきた新人やアプリケーションの専門家を目指す方や、サービスエンジニア、セールスエンジニア等分析機器に携わる者として、機器分析に関する基礎知識があることを証明する必要がある方に向いています。
また、就職試験にも有用な資格です。
資格の基準
初級資格は実務的な能力として「与えられた機器分析の課題について、機器分析の定められたプロセス(SOP)に沿って分析の操作が一通り出来る」ことが基準です。この基準を満たすには高校の化学・物理の指導要綱程度の基礎知識を既にマスターし、これに加え最小限必要な分析に関する知識と技能を有することが望まれます。
試験の方法
試験は4択選択問題が50問です。今年は時間が90分です。
出題の範囲
基礎的な化学・物理等の知識、分析機器等の一般知識で、個別の分析機器や手法の詳細までは問いません。
出題の範囲は受験申し込み時に配布するテキストの範囲内で、テキストの目次構成は以下です。
1. 検査分析士の基本知識
1.1 分析と検査分析士
1.2 分析のプロセス
1.3 測定値と分析値
1.4 質量の単位と物質量
1.5 濃度の単位
2. 分析の目的と対象
2.1 原子と分子の性質
2.2 物質の状態
2.3 物質の3態
2.4 主成分と微量成分
2.5 基本単位
3. 機器分析の基本
3.1 測定・検出法
3.2 機器の構成
3.3 検量
3.4 データの収集と管理
4. 分析のプロセス
4.1 分析法の選定
4.2 分析プロセスの規格・標準化及び記録
4.3 試料のサンプリング
4.4 試料調製(前処理
4.5 測定とデータ解析-定量分析
4.6 測定値の信頼性の確保
4.7 レポート
5. 湿式分析法
5.1 容量分析法-滴定法
5.2 滴定法の操作と計量器
5.3 濃度の計算
5.4 重量分析法
6. 光をもちいた分析法
6.1 発光と吸光
6.2 紫外可視吸光光度法、蛍光光度法、赤外吸収分光法
6.3 原子スペクトル分析法
7.分離分析法
7.1 はじめに
7.2 クロマトグラフィ-
8. PH計
8.1 PHとは
8.2 酸性とアルカリ性
8.3 ガラス電極PH計
8.4 その他のPH測定法
8.5 用途
9. 機器分析室の管理
9.1 分析機器の保守・管理
9.2 校正
9.3 分析機器の消耗部品の取り扱いと管理
9.4 試薬の管理
9.5 試薬の安全性に関する事項
9.6 分析機器に関する記録の管理